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島しょ部の学校は陸地部の学校に統合...という話について

僕が仕事場にしている岡山と広島の県境の港町、
笠岡には30ほどの諸島と7つの有人島がある。

もう12、3年くらい前になるかな、セイカさんと渡船で島に渡る海上で
島からたくさんの小舟が出てきたことがあった。
近づいていくと、波に揺られる小舟をこいでいたのは島の子供たちだった。
クラシックな舟に立ち、櫂を器用に動かしてるものも見える。
楽しそうに一人一艘の舟を漕いで海に出てくる姿は、僕らに強烈な印象として残ってる。

・・・あれからずいぶんと時間は経ったが、
去年の5月に僕は巨大な白いイヌと共に、同じ海に瀬戸内海横断散歩の旅に出た。
港を出て最初の目的地、白石島の砂浜が見えてきた頃、
巨大なイヌめがけて、カヤックに乗った白石中学校の子供たちが海に漕ぎ出してきた。
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イヌが砂浜に乗り上げると小学生たちも加わった。
そこに居合わせたもの皆がこころから感動した瞬間だった。
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みんなが共通して持っている教科書のほかに
島には島の、そこにしかない授業がある。


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ところが、僕の住んでいるシミったれた港町の市教育審議会では、
「島しょ部の学校は陸地部の学校に統合することが望ましい」
という答申書を教育長に提出したことが新聞に掲載されていた。

http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2013112522490545/

そうやって島や島民を分断するのか。

たとえヘンピな末端な場所まででも
子供が居れば、勘定せずに教育を普及しなさい。
上の人間の都合に合わせて管理しやすくなるだろうが、
子供に膨大な通学時間も、何もかも一様な教育も要らない。

僕らは、先見性のある新しい案を備え
自尊を持ったスタイルを構築する必要がある。
1度消えれば2度と復元できないんだよ。

誰よりも島民は陸地と環境が違うことを知っていて、
その分、子供たちに特別な体験や経験をさせるために努力している。

豊かさとは、記事にあるような教室に並んだテーブルや椅子の「規模」でもなく、
手をつないでゴールするような、杓子定規な「社会性や自主性」でもない。
十分な愛情が注がれているかどうかだ。


島の子供たちは美しい。
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Photo by 田中くん
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by ryuzo3net | 2014-01-11 22:10 | その他 | Comments(0)