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1996の裏側

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積み重ねている間から一枚引っ張り出すと、
昨日描いたのか、2年前に描いたのか忘れてしまっている時が良い。

中途だと思って放っておいたのに、
時間が経つと手を加えなくて良くなっているようなのも良い。

自分のギャラリーがあるから、過去のものと顔を合わすことも多い。
先日ラガルトの壁に掛けたのは「真夜中の魂」という絵。
版木を彫り版画として刷るつもりが、待てなくて色を流し込んだ。

1996年に描いたその作品の裏側の記憶はすっかり消えていた。
鉛筆で上部に書かれた仮題と暗く短い文章が残っていて、
彫刻作業で出た廃材をそのまま張り付けたような粗悪な作り。
そこには当時の僕の鬱々として荒々しい感じがそのまま在った。
時間が経つにつれ、歳を取るにつれ、きれいな仕事をすることも大切となるけど、
そればかりに囚われると衝動や情念が小さくなってしまう時もある。
欲望を忘れず、わけもわからず、同じところに立っていない生き方が良い。

今日は結婚して16年の記念日。

蔵6号で大きな額の組立てを終えて、寝るまでのあいだ少しでも加工が進められたらと額8つを車に積み込んで持ち帰る。このあいだセイカさんと車の中で、「僕との生活は普通の人なら発狂するよな」と笑ってたんだけど、まぁそのまえに居なくなるだろ。
17年目も僕の作品が好きでいてくれる(はずだ!?)から、もっとがんばらなきゃなぁ。


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by ryuzo3net | 2017-11-15 20:29 | 蔵④号日記 | Comments(0)