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12月のラガルトでの個展について

昨年の秋から、平面の制作を中心にしていた。ハギオさんが準備してくれた作業場で制作を開始して、年末にプライベートな非公開の個展「未完成の絵」をしたことが、自分を本来の姿に戻すきっかけだったように思う。今年に入って春ごろからは、大月さんの協力で作業場を増やし、やがて「玉島マチヲ」の企画と重ねて加速度的に作れた。作品とか作品じゃないとか考えることもなくなり、ますます囚われて作る状況に身を置いた。僕は檻の中にいて作り続け、時々そこから背伸びして外を見ては、また作る。これが一番しっくりくる自分の姿なのだと感じる。まあ、この数か月は作業場にいれない時間も増えて思うようにいかないこともあるけど、出かける際も持てる限り道具を抱えて外に出ることにしてる。

ギャラリーラガルトでの久しぶりの新作個展が近づいてきた。子供の頃の僕は、画用紙の代わりに新聞の折り込み広告の無地の面に絵を描き続けてた。今は譲ってもらった世界の名画全集みたいなものを引きちぎっては上から描いてる。分厚い全集を何冊も何冊も塗破していく。その過程は、気が付けばマチヲさんに関わる原案になっていたり、全く意図して描いたわけじゃないのに下敷きにした絵の題名と妙に気持ちのいい違和感を覚えたりする等、実験的で発見がある。そんな風に自分自身が仄めかされる感覚が面白い。12月2日からの展覧会名となっている平面『あるがままの私の現実を見てはいけない』も、7~8枚の名画を繋ぎ合わせ1メートル程にして描いた。玉島のマチヲさんのアパートでわけもわからず一気に塗ったり貼ったりしているうち、下敷きにしていたマックス・エルンストの絵のタイトル部分を塗り残しているのに気が付いて、そのまま同名の作品タイトルとして残した。そのシュールな言葉は僕の作品のいくつかにピタリと密着するような心地だったし、うまく言えないが僕自身が現実の中で感じる違和感だったり、憤りのような何かを諷示して魅力的に思えた。

近頃制作したものは時間を置いて、僕の絵なのかマチヲさんの絵なのか分別したりする。そうしてこの絵、「あるがままの私の現実を見てはいけない」は僕のものだと受け止めて、このタイトルイメージひとつで小さな展覧会を行いたいと突然思い立った。実はまだたくさん並べたい絵もあるし、この展示に合わせて作りたい立体もあるのだけれど、欲張らず点数を絞って今の自分らしくやることに決めた。

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展覧会 『あるがままの私の現実を見てはいけない』

期 間  2017年12月2日(土)~ 2018年1月29日(月) の土・日・月曜日

     (年末年始 12月30日~1月1日は休廊)
時 間  11:00~18:00
会 場  ギャラリーラガルト
住 所  〒710-0055 岡山県倉敷市阿知3-22-25 倉敷ジーンズ2F
連絡先  TEL.090-7776-6878
協 力  倉敷ジーンズ、(有)パウハウス
入場無料 *初日の16:00~は簡単な飲み物を用意しております




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by ryuzo3net | 2017-11-20 16:51 | ギャラリー・ラガルト | Comments(0)