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壊れた頭ガイコツ

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1993年頃の僕は頭ガイコツが好きで、美術室にあった石膏製の頭ガイコツをこっそりとカバンに入れて、脇に抱えて、持ち歩いていた。ずいぶんと遠い学校に通っていたんだけど電車の中でも家の部屋の中でも頭ガイコツと一緒で、触ったり眺めたり絵に描いたりしていた。僕の悪い癖なのか、気に入ったものは既に自分のもののように思い込んで。

そんなある日、僕の不注意でお気に入りの頭ガイコツを落っことしてしまった。僕はバラバラになった骨を拾いはじめ、周囲の同級生たちが「やっちまったな」という顔つきで見ているのを感じた。子供のころから怒られない日は無いというくらいに何をやっても叱られてたから、誰よりも「またやっちまったな」という気持ちだったし、宝物を壊してしまった罪悪感で落ち込んだ。

集めた破片を手に、備品を壊してしまったことを美術の植月先生に告白した。当時の僕から見た植月先生のイメージはというと、あんまり話したことがない大きくてちょっと怖い感じの人。入学する前から知っていたし、僕の回りで一番絵が上手くて嘘がつけない相手のような存在だった。バラバラの骨をチラと見た先生は怒る気配すらなく、さらりと「ものはいつか壊れる」とだけ言い残してスリッパを静かに鳴らしながらどこかに行ってしまった。

高校3年生になると、植月先生と話すこともたまにあった。奔放な僕の気質を理解してくれていたのか、受験用の絵も2枚以上描かなくて済んだし、受けたくない授業は拒否した。男同士の約束も交わしたし、美術室の中に個室を作って好きなように作らせてもらえたのも嬉しかった。僕が高知に向かったのは、「お前には高知が合う」と先生に言われたのがきっかけだった。

元の形に戻らなくなってしまった頭ガイコツは、その後3度の引っ越しにも同行し相変わらず僕のそばにいて、2007年に<グラン・ママ>という作品の右袖に埋め込まれて今も在る。


先生という職業を少し早めに終えて、尾道で一画家として暮らし始めていた植月英俊さんと2011年から作家として交流が始まった。アトリエに行き来したり、互いの作品を購入したりした。植月さんは僕のアトリエやギャラリーに来るたび、おすすめの麺と出汁と大量に刻んだネギを持って来てくれた。短い期間だったけど、作ることや暮らすことを楽しんで生きてる様子だった。いつだったか実物の<グラン・ママ>を見て「良い作品を作るなぁ」と言ってくれたのが嬉しかった事を覚えているのに、そのとき袖の頭ガイコツの事を明かしたかどうか、僕の記憶が定かでないのが残念でならない。

先生という存在が大キライな僕が、好きになった先生に作品を見せることも褒めてもらうことも今は叶わない。そう思うとちょっと寂しいけれど、あの日僕が怒られずに学んだ「ものはいつか壊れる」ということ、それは「使い切ってやる」という僕の生き方をより強靭にしてくれた気がする。


# by ryuzo3net | 2017-12-12 18:57 | その他 | Comments(0)

人にたくさん会ったから

土曜日、ラガルトが開く頃に広島からギャラリーGの方たち6名が到着。
新作や、隣の中島屋の立体と版画などを見たあと、移動して玉島を案内。
それからおかやま山陽高校の壁画を鑑賞してから帰るとのこと。
「広島キューバ展」がきっかけ。また行き来が出来れば良いな、と。

夕方からクリーニングデイの準備。といっても重いもの持つとかそのくらいのこと。
どっぷり夜になり、ラガルトからセイカさんがルイケという面白い男を連れてきた。
ラボで夕食をいただき、マチヲ部屋で翌日の準備やら。そのまま就寝。

日曜日は、少し早起きして玉島の朝市から友人やお客さんを各所に案内。
マチヲ部屋が僕の担当ではあるんだけど、いろいろと事情は変わるもので。
部屋のドアだけはいつも通り開いてる。今日は少ししか作れなかったな。

夜はクリーニングメンバーとキムチ鍋。ルイケも居るし。
帰り道はあくびが止まらない。人にたくさん会ったから。居るべきところに僕が居なくても、それなりにそこそこ自分なりに頑張ってたわけ。

月曜日は、ラガルト。
①来年の考古学的なイベントの顔合わせ、②〇〇〇〇の社章の立体サンプル制作、③次プロジェクトの打ち合わせ。遠方からも来廊者、イヌも集まりにぎやか。しかし考えてみれば昼飯抜けてた。21時には帰宅できたけど、車内で2人の会話も無く僕はあくびが止まらない・・人にたくさん会ったから、明日は家から出ないと思う。

人にたくさん会ったから_b0052471_23282366.jpg

# by ryuzo3net | 2017-12-11 23:29 | 玉島マチヲ(2017-) | Comments(0)

新作展「あるがままの私の現実を見てはいけない」の倉敷経済新聞の記事が上がった。

この記事の関連写真「真夜中の冒険」の解説をする川埜龍三さん では、
長年僕らを応援し続けてくれている石川社長とのツーショットがうれしい。

ちょうど3分間で解説しますのコーナーでのひとこま。
過去にはギャラリーで一切接客しない姿勢を続けていた僕が、はじめて自分から「解説します」と言い出したんだから、この日社長が僕の成長を見届けてくれて良かった。その瞬間を記録してくれた倉敷経済新聞に感謝。

来年ラガルトが生まれて10年になる。
僕は少し変わったでしょう。


名画をキャンバスに絵画25点、倉敷経済新聞_b0052471_21192280.jpg



展覧会 『あるがままの私の現実を見てはいけない』

期 間  2017年12月2日(土)~ 2018年1月29日(月) の土・日・月曜日

     (年末年始 12月30日~1月1日は休廊)
時 間  11:00~18:00
会 場  ギャラリーラガルト
住 所  〒710-0055 岡山県倉敷市阿知3-22-25 倉敷ジーンズ2F
連絡先  TEL.090-7776-6878
協 力  倉敷ジーンズ、(有)パウハウス


# by ryuzo3net | 2017-12-08 21:47 | Comments(0)

普段のマチヲ部屋は静かなもので、近隣の方が訪れる程度。
そういえば、最近ドアをノックする人が減ったなあ。
突然ドアが開くパターンで、たまにビビる。

今度の日曜日は、イベントのため回ってやってくる来客があるとのこと。相変わらず普段のマチヲ部屋なのだけど、「マチヲ式モンタージュ」を閲覧できるようにしてみよう、と今日思った。表面と裏面共に作品だから、実際に紙に触れて鑑賞するのが一番良いんだけど、知らん人に触られるのも嫌だろうしA3サイズのファイルを購入。ひとつに10枚×8冊でOKかな。黒いマチヲさん。
クリーニング黒いマチヲさん_b0052471_19425632.jpg
当日、玉屋(TAMAYA TAMASHIMA)では倉敷ジーンズによるシルクスクリーンのイベントもある。社長も来るし行きたいのだけれど、セイカさんはラガルトで新作展「あるがままの私の現実を見てはいけない」の案内があるし、マチヲ部屋担当は僕ひとり、どうなることやら。とりあえず制作していよう。

クリーニング黒いマチヲさん_b0052471_21000882.jpg
クリーニングデイ玉島#8.5
日 時  2017年12月10日(日)10:00 - 16:00
会 場  岡山県倉敷市玉島中央町各所
入場料  無料  

①玉島マチヲ PJ 玉島中央町 3-4-4 オレンジハイム 103
②アゲモラ PJ  玉島中央町 3-6-8 テラスマローネ 101
③Material Library 玉島中央町 3-2-10
④Material Library 玉島中央町 3-2-10
⑤IDEA R LAB 玉島中央町 3-4-5
⑥TAMAYA TAMASHIMA 玉島中央町3-13-33
⑦一鱗 玉島中央町1-6-21

交通:新倉敷駅より玉島中央町行バス(¥170)所要時間7分
新倉敷駅南口発 9:10 9:25 10:40 11:30 12:40 13:40 14:25 14:40 15:40
玉島中央町発 13:00 13:59 14:00 15:00 16:00 16:30 17:14 18:00

# by ryuzo3net | 2017-12-07 19:59 | 玉島マチヲ(2017-) | Comments(2)

牛蒡 (ごぼう)

日曜日は玉島で、畳部屋で日差しに暖まりながらマチヲ式モンタージュと再会。
昼はアゲモラのストーブで調理されたパスタ、フルーツ盛り合わせ、牛蒡とチョコのケーキ、藤田さんの珈琲。牛蒡とチョコは夕べラガルトにも差し入れてくれた逸品。どれも美味しかった。次週はクリーニングデイがあるので、アゲモラ部屋はにぎやか。

そして昨夜からミチコさん、遠い世界の出来事に触れさせてくれて、面白かったなあ。
マチヲ式モンタージュ、大月さん新作見て笑ってくれて。ミチコさんも気に入ってくれたようで。いつか、どんな形になるか分からんけど、全貌を手に取れるようにしたい。

新しい特技が見つかったというのに、材料が限られてるからどこまでやれるか、
始まると止まらんし、やりつくすまで。

牛蒡 (ごぼう)_b0052471_22081440.jpg
月曜は夜に打ち合せがあるというので、残念ながら玉島での制作は無し。
ラガルトでもくもくマチヲ式モンタージュすることになるかな。



【クリーニングデイTamashima 】
Cleaningday Tamashima #8.5 2017/12/10 10:00-16:00

# by ryuzo3net | 2017-12-03 22:30 | 玉島マチヲ | Comments(0)